在日外国人向け税務支援など多様化するニーズに応えていきたい

Q.公認会計士・税理士を目指したきっかけはなんですか？

公認会計士になりたいと思ったのは、大学一年生のとき。簿記の授業が面白かったことと、公認会計士に関する本を読んで魅力的な職業だと感じたことがきっかけでした。独立することができ、さまざまな形でさまざまな業種のお客様に貢献できるところがいいなと思ったのです。

大学四年生のときに公認会計士の試験に合格することができました。卒業後は新日本監査法人（現・EY新日本有限責任監査法人）札幌事務所に入所します。北海道と東京で計10年ほど企業や金融機関の会計監査、財務会計アドバイザリーとしてIPO（新規上場）企業の経営支援などを担当しました。

2017年に監査法人を退職し、札幌で現在の事務所を立ち上げることに。事務所設立のタイミングで、中小企業の多い北海道でより多くの方の役に立つために、税理士登録をしました。

幅広い案件に対応できるのが当事務所の強みと言えます。その中で特に力を入れているのが在日外国人向けの税務サービスです。主に行うのは、個人または法人で事業を営む外国人の確定申告のサポートで、英語で対応することが可能です。商社や観光業など多様な業種のお客様を支援してきました。

北海道には、海外から移住してきて事業を営んでいる外国の方が多くいます。税に関する複雑な専門用語や、自国と日本の税制の違いの理解に苦労される方も少なくありません。その割に、国際的な案件に強い税理士が少ない印象です。

監査法人時代のIPO企業の支援では、日本と海外で同時に上場する案件を担当していました。外国人のメンバーと仕事をする機会も多く、国際的な業務の経験を積めました。これまでに培った自分の経験と知識を生かせるのではないかと、在日外国人の税務支援を始めたのです。

お客様が何を望んでいるのか、何を考えているのかを知るために、まずはお客様の話を最後まできちんと聞くことを心掛けています。

一方、私からお客様にお話するときは、できる限りかみ砕いて説明するよう気を付けています。当然、専門用語を用いてお話しなければならない内容もありますので、どなたにも伝わるよう言葉を言い換えたり、丁寧に説明したりするようにしています。

外国人のお客様と接するときに意識しているのは、料金やサービス内容について、より明確にお伝えすることです。いくらでどんなサービスを受けられるのか、具体的に知りたがる方が多いと感じています。

事務所設立から1年ほど経ったころに受託し、失敗に終わってしまった案件が印象に残っています。

「新規事業を立ち上げたい」というお客様のご依頼で創業計画書を作成しました。正直、融資を受けるには厳しい内容ではないかと思っていましたが、ご本人の希望もあり、そのまま銀行へ交渉に行ったものの、やはり実現できませんでした。

この失敗から、お客様の要望を聞くことはもちろん大切ですが、難しいことは難しいと初めの段階できっぱりお伝えするべきだと学びました。トラブルを避けられますし、双方のためになると考えるからです。

これ以降は同様の失敗は無く、お客様の要望にお応えしてサービスを提供し、成功へとつなげられています。

幅広い業種や分野の税務サービスに対応できることです。例えば、主たる事業とは別の収入がある方や、小売をメインに通販や卸売など複数の事業を手掛けている方でも、当事務所で税に関するすべての支援を完結させられます。

企業の法人税だけでなく、所得税や相続税などプライベートな収入や資産に関する税務支援も可能です。幅広くお手伝いできることが、お客様から信頼をいただけている理由の一つではないかと自負しています。

ドライブで北海道のさまざまな町を訪れるのが好きです。風景を楽しみ、その土地の名産品や農産物を購入し、家で料理して楽しんでいます。

最近は、洞爺湖町に行きました。温泉に入り、名産のお菓子「わかさいも」や、野菜や果物を買ってきました。

監査法人で働いていたときに一度北海道を出たからこそ、より一層郷土愛が強くなりましたね。気候の良さや、広々としていること、食べ物がおいしいことなど、地元のすばらしさを実感しました。

これまでの業務により一層丁寧に取り組むとともに、管理会計の導入支援に注力していくつもりです。

管理会計は、企業の経営に生かす社内向けの会計のこと。会計というツールを使い、さまざまな角度から北海道のお客様の発展に寄与できればと思っております。

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